Silver Night-シルバーナイト-
そんな声が聞こえて来たのは前方の方。
低くて不安定な声は私を怖がらせるには十分で、ニタニタと笑っているはずなのに、その瞳はまるで笑ってはいない…
「だ…れ…」
私の目の前には男が三人。
道路を塞ぐようにして立っていた。
「誰って俺らの事知らないのー?」
「…知らない」
知っているわけがない、こんな人達。
「俺らは黒雅(コクガ)だよ」
コク…ガ…
一番真ん中にいた男は、私の方へと一歩近づいてくるとニヤリと口角を上げて笑い出す。
「君がこの間邪魔してくれたせいで、俺らの作戦は台無しだ」
「…………」
「ザコから潰していく予定が、君のせいで俺らの仲間が捕まったんだよ、シルバーナイトに」
「……っ…」
まさか…あの時の男達の仲間…
「だから少々君を利用させてもらうよ」