Silver Night-シルバーナイト-
過去
…私の知りたいこと全部。
それはもちろん知りたい。だって私は梓が好きなんだ。どうしようもないほどに。
知りたくないはずがない。彼と、朱音さんの関係…そしてこの男との関係。
だけどそれを梓の知らないところで、勝手に聞いても良いのかとももちろん思う。
そんなの当然だ。自分の話を他人がベラベラ喋っていて不快だと思わない人の方が少ないだろうから…
でも、それでも…やっぱり知りたくなってしまう私は可笑しいのだろうか。
「どうする、行く?辞めとく?」
なんて意地悪でズルイ質問なんだろうか。
「でも貴方といるところを、シルバーナイトの人に見られてたんでしょ?それなのに貴方と一緒にいられるわけないじゃないですか」
「平気、あいつら俺のこと知らないから。それに俺達が挨拶してたの見てたし、君が無理矢理攫われたとは思わなかったはずだから」
「…でも」
「それに言っただろ、君が気になるんだよ」