Silver Night-シルバーナイト-
なるほど…だからこのお店なのか。
今時のお洒落なカフェとは違い、ここは落ち着いていて何だか安らかな気持ちになる。
癒し空間というか、穏やかな空間というか。
「で、何が聞きたい?」
注文したストレートティーが目の前に置かれてしばらくした頃、口を開いた新はブラックコーヒーを一口飲むと私をにっこりと見つめた。
「…そんなこといきなり聞かれても」
「聞きたいことがあったから付いて来ただろ?梓と朱音のこと」
そこまで分かっているのならば、何故そんな意地悪な笑みを見せるのだろうか。
「アイツら幼馴染なんだよ」
「…幼馴染」
「そんで俺は朱音の義理の兄妹」
「えっ」
「つまり俺も梓の幼馴染だ」
全く予想もしていなかったことに思わず目を見開く。梓と朱音さんが幼馴染だってことは納得だが、この人がまさか朱音さんの義理の兄妹で梓の幼馴染だったなんて。
だってこの人は黒雅の総長だ…
なんかそれって、周りに知れたらとんでもなくややこしい関係なんじゃ…
それに何で幼馴染にのに敵対しているの…