Silver Night-シルバーナイト-
「そんな時に最悪な事が起こった。シルバーナイト次期総長だと言われていた梓に関係のある朱音が狙われた。黒雅の傘下に」
「…え、黒雅ってあなたのチームじゃないですか」
「あぁ、そうだでもそれは俺が入る前の黒雅だ。君も言ってただろ、黒雅はろくでもねェチームだって。その通りだよ、こうして関係の無い人間を巻き込むくらい腐ったチームだ」
「狙われたって、朱音さんは大丈夫だったんですか」
嫌な汗が垂れる。女性を狙うなど、そんな事あってはならないはずなのに。次期総長と関わりがあるからといって朱音さんを狙ってくるなんて…
でもそれは今だって同じだ。今も私や朱音さんは黒雅に狙われている。
そもそも何で…義理の兄であるこの人が黒雅のトップなのに朱音さんが狙われるのか意味が分からない。
「朱音はすぐに見つかった。だけどその時抵抗した事によって足に大きな傷が出来た、消えない傷が。だから梓は朱音の我儘を今でも聞いてる、責任を感じて」
「え、消えない傷…」
「この事件が起きたのは高二の時だ、梓が総長になる直前だった。梓が総長になってすぐ、そんな黒雅をどうにかしようとアイツらは黒雅の傘下からバンバン潰して行ってたよ」
それを聞いて思った。もしかしたらそれが…梓達が留年したキッカケだったのかもしれない。
平気で周りを巻き込むようなチームを潰そうと…