Silver Night-シルバーナイト-
「グァッ!!」と短い悲鳴のような、苦しむ声が辺り一面に響き渡り、そして男はズルズルと道路へとしゃがみ込んでいく。
両脇にいた男は目の前の出来事について行けずポカーンっと立ち尽くしていて…
でも一番ビックリしたのは私で、まさか男の急所を無意識で蹴っ飛ばすなんてよっぽど気持ち悪かったんだと自分自身に驚いた。
「こんのっ!クソアマー!!!」
しゃがんでいた男は急所を押さえながらゆっくりと立ち上がると、もの凄い勢いで私を睨み付け、ミディアム程度の私の髪を思いきり掴んだ。
「……痛!!」
「優しくしれてば調子に乗りやがってぇ!!!」
私を睨み見下ろす男の顔は真っ赤に染まり、どうやら私は今相当怒らせてしまったらしい。
優しくされた覚えはないけど……
「や、めて…」
痛い痛い、髪の毛千切れる!!