Silver Night-シルバーナイト-
「離せ」
たしか、そんな静かな声が聞こえてきたように思う。
だけど次の瞬間には、私の髪を掴んでいた男は宙に舞い吹っ飛んでいる所で
「……え…」
何が起きたのか分からない。あまりに一瞬の出来事…
気が付いた時には両サイドにいたはずの男達も、私の横に倒れこんでいた。
………目の前には梓
白銀の髪が夕日に反射してオレンジ色へと変わって見える。
その瞳はやけに私を冷静に見下ろし、そしてゆっくりと口角を上げて見せた。
その表情に思わずドキンと胸が大きく鳴る。
「ぎゃははははっ!お前最高!!あの状況であいつの股間蹴っ飛ばすとか最高すぎる!!!」
その後ろでは、何故かよほどツボに入ったらしい琉聖がゲラゲラと笑い転げている。
み…見られてたの?
「莉愛ちゃん、大丈夫?」
その隣にいた悠真はというと、心配そうに私の元へ駆け寄り乱れた髪を直してくれた。
「なんで…三人が…?」