Silver Night-シルバーナイト-
そんな簡単な疑問が口からこぼれ落ちた。
だって偶然にしてはあまりにタイミングが良すぎる。
こないだといい、この人達はまるでスーパーマンみたいなタイミングでいつもやって来る。
そんな私の心の内が分かったのか、一番近くにいる悠真は小さく眉を垂れ下げると「莉愛ちゃん、話があるだ。ちょっと来て欲しい」と言って、近くに停めてあった車に乗るよう目で合図をする。
それを無視して帰るわけにもいかず、私はとりあえず言われたように車に乗り込み、それに続いて右側には梓、左側には琉聖が乗り込んで来る。
男二人に挟まれた私はキツキツ状態で、そんな中シンっとした車内がやけに苦痛に感じた。
途中、琉聖と一瞬目が合ったけれど…目が合った瞬間「ブッ」と吐き出すように笑われムカついた私はフンっと思いきり顔をそらす。
何がそんなに面白いのか…
そりゃあ女の子が男の人の急所を蹴り飛ばすなんてあれかもしれないけど…私は緊急事態だったんだ。
だいたい見てたならもっと早く助けて欲しかった。そしてら髪をひっぱられることも、あんな事をしなくても済んだのに。