Silver Night-シルバーナイト-
連れてこられた場所はやっぱりあの場所だった。
シルバーナイトの倉庫。
梓に続き車を降りると、そこは前回と違い沢山の男達で溢れていて…座りながら雑談をしたりバイクをいじっている。
男達は梓に気が付くと、一斉に立ち上がりお辞儀をしていく。
なにこれ、梓って王様か何か…?
そんな彼らはゆっくりと視線を上げた後、梓の後ろにいる私を見て全員が全員おどろいたように目を瞬かせた。
何故だか彼らに穴が空くほど見つめられて、物凄く気まずい…
でもそれもプレハブの階段を登りだす頃には視線は解かれ男達は元のようにしゃがみ込んで話し出しているようだった。
プレハブの中に入ると、以前と同じところに梓が座っていて、その前に私も腰をかける。そして琉聖はそんな私の隣に乱暴に座った。
一番後ろにいた悠真は何やら冷蔵庫からりんごジュースを取り出すと、私の前に置く。
「俺のは?」
そんな光景を見ていた琉聖がそう言うけれど、悠真はそんな琉聖に対して「自分で持って来い」とだけ言うところを見ると…私には優しい悠真だけど琉聖には雑みたいだ。