Silver Night-シルバーナイト-
「莉愛ちゃん、とりあえず先に謝らせて欲しい」
私と琉聖の座るソファーの左側に座った悠真の話は、そんな言葉から始まった。
だけどもちろんそんな事を言われても私の頭のなかはハテナマークだらけで、
「実は俺達、あの日以来莉愛ちゃんの事つけてたんだ」
「…………え?」
つけてた…とは?えっと…後をつけてたって意味だろうか…?
あの日とは初めて私達が会った日。私が颯という男の子を助けた日の事だと思う。
「女の子にこんな事をするのもどうかと思ったんだけど…」そう続けた悠真は本当に申し訳なさそうで…
でも、だから今日物凄く良いタイミングで助けてくれたのかと思わず納得する
「この前と今日の男達、黒雅っていうチームの奴らなんだ。」
それは先ほどの男が言っていた言葉だ。
「俺達の、シルバーナイトの座を狙ってる」
「シルバーナイトの座?」
「俺らのチームはここら一体のナンバーワンだ。ナンバーワンになったチームはシルバーナイトと名乗ることが出来る。俺らが仕切る地域のずっと昔からの決まり事みてェなもんだ。その座を狙ってるのが黒雅」
次に話し出したのは琉聖で、その表情はどこか怒っているようにも見える。
シルバーナイトって名前は、ナンバーワンのチームのみが名乗れるんだ…知らなかった。
でも…それが何故私のあとを付ける事と関係あるの?