Silver Night-シルバーナイト-
悠真があまりに申し訳なさそうにするもんだから…どうしたらいいか分からなくて、とりあえず小さく笑って見せた。
別に、彼らが謝る事ではない。
まさかこんな事になるとはミジンも思ってなかったけれど…私は彼らを攻めたいなんて一ミリだって思ってない。
だって…
「私が助けたくてあの男の子を助けたの。今こんな事になったからってそれを後悔なんてしてないし、悠真達が悪いとも思ってない」
「……莉愛ちゃん」
「それにきっと私は、あの光景を無視する事なんて出来なかったから」
冷たく見下ろされる光景、酷く傷付けられていた颯。
それはまるで自分の心の中を見ているようで…私には無視なんて出来なかった。
「だからそんなに謝らないで」
目尻を下げて見せれば、それを見た悠真はやっぱり申し訳なさそうにしていたけれど、私に合わせるようにして笑ってくれた。
「おい」
そんな私と悠真の視線をさえぎったのは、ここに来て初めて口を開いた梓。
梓の切れ長な瞳は私を捉え深く見つめてくる。梓に見つめられると何故だか緊張してしまう自分がいて…思わず響く自分の胸の鼓動に眉をしかめた。
「今日から俺達と一緒にいろ」
…………え?