Silver Night-シルバーナイト-
少しだけ感じる身体への重み
ふわふわとした布団に包まれている包容感
感じたことの無いような温もり。
「……ん…」
ゆっくりと目を見開けば……
そこに見えたのは眩しいばかりの白銀
切れ長な瞳は閉じられており、スッと綺麗に通った鼻筋はこちらを向いている。
「…え………」
な……に…この状況
周りを見渡せば、そこは昨日いたはずのリビングではなくて、グレーのカバーのかけられたベットの中。
しかも私の身体は、しっかりとある人物によって抱きしめられており
「………あず…さ…?」
そんな私の言葉に目の前の梓の瞼がピクリと反応し、そして切れ長な瞳がゆっくりと開かれていく。
「…………」
だけれども、その瞳は私を一瞬見た後……まるで何事も無かったかのように閉じられてしまい
「え、あの…梓…!?これはどういう状況…?」
身体は梓により完全に固定されているため、もがいても身体はビクともしなくて…それどころか目を閉じたまま眉を歪ませた彼はさらにギュッと強く抱きしめてくる。
えー!!何これ……なんで…こうなったの?
「ねぇ!梓ってば!!」
まるで起きてくれる気配のない梓の身体をゆすると、うっすらと目を開けて私を見た後
「うるせェ…もう少し寝かせろ」
少しカスれた色っぽい声
いつもとは違い力無く発せられた言葉に…
思わず心臓がドクンっと一度鳴った。
気がついた時には梓の方から再びスースーと気持ちの良い寝息が聞こえてきて、パーティーの前日はあまり寝れなかったからなのか…それともあまりに梓が気持ちよさそうに眠るからなのか……
いつのまにか……私も再び夢の中へと戻っていった。