Silver Night-シルバーナイト-




梓は、本当は何もかも分かっているのかもしれない。





昨日私に何かがあって…あんな所に一人でいた事。




彼は面倒くさいから送ってくれなかったんじゃない。






本当は一人でなんていたくないのに……


あんな風でしか自分を維持出来ない私の事を分かってた。






だから、昨日の夜は…何も言わずここへ私を連れて来てくれたのかもしれない。






あの温もりも、抱きしめる大きな腕も、少しだけ優しい重みも。





全てが梓の優しさだったのかもしれない。





まだ出会って…数回しか会った事がないのに。





「逃げ出したくなったら連絡しろ」



「…………」



「迎えに行ってやる」



「………うん」




< 75 / 365 >

この作品をシェア

pagetop