Silver Night-シルバーナイト-
ここに来て、笑う機会が増えたように思う。
普段、そんなに笑う事なんてなくて…笑う理由もなくて
それなのにここの皆んなと一緒にいると自然と笑顔になれる。
「佑衣、楽しみだね」
そう笑って佑衣の方を向くと、佑衣も嬉しそうに「うん!」と勢い良く返事をしてくれた。
そんなやり取りをしている中、
ガターッン!!!!
と何かがけたたましく倒れる音
「何だてめェらアァァー!!!」
誰かが物凄い怒鳴り声で叫び出す声。
それにいち早く反応したのは目の前に座る琉聖、続いて悠真 佑衣と次々と険しい顔付きでソファーから立ち上がる。
「……何」
私は怯えるようにして立ち上がった目の前の琉聖を見上げれば、琉聖は鋭い目付きをしたまま「莉愛はここで待ってろ」と低い声で唸る。
いつもふざけた時に出す低い声なんかじゃなくて…聞いたこともないような腹の底から出された琉聖の声。
「ここから動かないでね」
ドアを開いたと同時に悠真がこっちを振りむきそう私に言い放つ。
隣にいた佑衣は琉聖と悠真に続いて走り出して部屋を出て行った。