Silver Night-シルバーナイト-
琉聖にその私の思いが伝わるよう呟けば…聴こえてきたのは大きな溜め息と、少しばかりの温もり。
「心配かけんなよ」
そう言って頭の上にポンっと優しく置かれた手からは琉聖の温もりが伝わって来た。
琉聖の胸から顔を上げ「うん」と呟いたところで、たくさんの周りからの視線を感じる。
「…………」
「…………」
その視線の正体は言うまでもなく倉庫内にいるシルバーナイトのメンバー達で、皆んなが皆んなと言って良いほどこっちを見ていて…
ハッとしたように琉聖から身体を離すと、何故だか今さら気まずそうに彼も少しばかり頬を赤く染める。
私…つい勢いで琉聖に抱きついてた……
「あの、えっと…なんかごめん」
「いや、別に」
今さら気まずい雰囲気ダダ漏れで、琉聖から視線をずらすと、やっぱり周りのみんなはニヤニヤしながらこっちを見ていた。
「プリンありがとう…」
「おぅ」
でも、何だか少し琉聖と近くなれた気がする。
これからはちゃんと…周りの人達のことも考えようと…初めてそう思えた。