Silver Night-シルバーナイト-
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文化祭




ついに梓達の学校の、文化祭の日がやってきた。




てっきり文化祭の一週間前くらいからは準備で忙しいのかと思っていたけれど、どうやら彼らはそうでもないらしく…いつも通り私の学校近くまで迎えにきては毎日のように倉庫にいた。




「琉聖に準備しないの?」って聞いたら「当日にすんだよ」なんて適当な返事が返ってきて、だからもしかしたらそういうのって学校によって違うのかもしれない。




朝、鏡の前でおデコに貼られた小さい絆創膏を張り替える。傷はだいぶ良くなった。絆創膏も前髪のおかげで見える事はほとんどなくて、だから聖にも怪我の事はバレていない。




リビングに行くと、ちょうどメッセージを知らせる着信音が鳴っていて、私はそれを開くと急いで部屋を出た。




エレベーターでロビーに下りると、小走り気味で外へと向かう。




マンションを出てすぐ、電信柱脇に止めてあるのはもう見慣れたいつもの車。




後部座を開ければ、そこに待っていたのは、いつも休日に迎えに来る琉聖ではなくて私服姿の佑衣がいる。




運転席にはやっぱり赤髪の兄ちゃんで、この前名前を聞いたら伊吹さんと言うらしい。





「莉愛、おはよう」



「おはよう」




太陽のような笑顔で迎えられ、その隣に座ればいつの間にか車は滑らかに走り出した。




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