witch
その日の放課後は美術の授業の居残りで、私は一人で下校していた。

部活動の生徒を眺めながら歩いていると、普段は人が入らない校庭の倉庫に人が入って行くのが見えた。

男子が五人ほどだった。

私は彼らがその倉庫に入っていた理由よりも、その男子達の中にないとがいた事の方が気になった。

好奇心に負けた私は倉庫を目指した。

倉庫の扉の僅かな隙間から中を覗きこむ。
中ではないとを取り囲むように男子が輪になってたっていた。
何やらこそこそと話し声が聞こえる。
私は耳を澄ました。

「ないと、お前分かってるだろうな？」
男子グループの中で一番体格の良い男子がないとを突き飛ばした。
残りの男子も倒れたないとを蹴る、殴る、叩くなどの暴行を加えた。

「前からお前が気に入らなかったんだよ！」
男子達は罵声を浴びせながらないとに暴行を加え続けた。
ないとの美しい顔にみるみる傷が出来ていった。
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