witch
私たちの言葉にフワッと優しく笑った粉雪さん。
その笑顔は天使ような晴れやかな笑顔。

「すずね、これは無理なお願いだ。でもね、私はあんたを守れて幸せだった。どうせ死ぬなら日とのためになって死にたい。この夢を叶えられたんだ」

粉雪さんは天使のような笑顔を称えたまま、ゆっくり目を閉じていく。その薄茶の瞳が徐々に瞼に隠れていく。

粉雪さんの体を揺すってみる。炎で焼け焦げた、黒い体。
あの雪のような白い肌は面影を残していない。

残虐だ。こんなになるまで焼き付くすなんて…。

どんだけ逆らっても、その時はやってくる。
いくら化け物でも他人の死には抗えない。

「すずね、さようなら…」
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