困難な初恋
3.接近
「やー!ほんとに申し訳ない松原サン!」
エレベーターでマンションを上がりながら純が言う。
「金曜日なんで、大丈夫ですよ」
にっこり笑うが、心の中では人が入れる状況だったか部屋の中を思い返していた。
結局、二人とも電車を使わないとタクシー代がバカにならないところに住んでおり、
いつもなら自分からこんなことを提案することはないが、秋葉と距離を縮めたいという打算的な気持ちもあり、
自分から「家、来ます?ほんとに何もおかまいできませんけど」と声をかけた。
渋る秋葉に比べ純は大喜びで、「迷惑かけませんから是非是非!ね、秋葉」と秋葉も説得してくれた。
困ったような表情で秋葉も隣に立っている。酒が入っていなければ、彼女は間違いなくここにはいないだろう。純が現れたことも、本当にツイている。
母親は出張続き。持ちマンションというと色めき立つ女も多いが、要は実家だ。
ガチャリと鍵をあけ、電気をつける。
「うっわ~!広!つかなにこのオシャレさ・・・!」
純が声をあげ、「声、大きい」と秋葉が止める。その表情には、持ちマンションだとか、その広さとか、に対する感動は残念ながらなさそうだった。
「鈴木さん、宮川さん、上着かけるよ。」
二人の上着と自分の上着をハンガーにかけ、クローゼットにしまう。
「何か飲む?」
ペットボトルのお茶と・・・ウイスキーとサイダーがあるからハイボールは作れるかな。
「いいじゃないですか!せっかくだから飲みましょうよ~!」
「もう!!純ちゃん!!」
怒る秋葉に声をかけた。
「宮川さん、大丈夫だよ。俺もなんか飲みたい気分だったし。こないだ成瀬が来た時に置いてったつまみも残ってるから、食べてくれると嬉しいかな」
眉間に皺を寄せながら、申し訳なさそうに、すみません、とこぼした。
エレベーターでマンションを上がりながら純が言う。
「金曜日なんで、大丈夫ですよ」
にっこり笑うが、心の中では人が入れる状況だったか部屋の中を思い返していた。
結局、二人とも電車を使わないとタクシー代がバカにならないところに住んでおり、
いつもなら自分からこんなことを提案することはないが、秋葉と距離を縮めたいという打算的な気持ちもあり、
自分から「家、来ます?ほんとに何もおかまいできませんけど」と声をかけた。
渋る秋葉に比べ純は大喜びで、「迷惑かけませんから是非是非!ね、秋葉」と秋葉も説得してくれた。
困ったような表情で秋葉も隣に立っている。酒が入っていなければ、彼女は間違いなくここにはいないだろう。純が現れたことも、本当にツイている。
母親は出張続き。持ちマンションというと色めき立つ女も多いが、要は実家だ。
ガチャリと鍵をあけ、電気をつける。
「うっわ~!広!つかなにこのオシャレさ・・・!」
純が声をあげ、「声、大きい」と秋葉が止める。その表情には、持ちマンションだとか、その広さとか、に対する感動は残念ながらなさそうだった。
「鈴木さん、宮川さん、上着かけるよ。」
二人の上着と自分の上着をハンガーにかけ、クローゼットにしまう。
「何か飲む?」
ペットボトルのお茶と・・・ウイスキーとサイダーがあるからハイボールは作れるかな。
「いいじゃないですか!せっかくだから飲みましょうよ~!」
「もう!!純ちゃん!!」
怒る秋葉に声をかけた。
「宮川さん、大丈夫だよ。俺もなんか飲みたい気分だったし。こないだ成瀬が来た時に置いてったつまみも残ってるから、食べてくれると嬉しいかな」
眉間に皺を寄せながら、申し訳なさそうに、すみません、とこぼした。