あの駅でもう一度、君を待つ。


「〜〜♪〜〜♪〜〜♪」

ふいに大きな音で着信が入った。


私はびっくりして慌ててポケットから携帯を取り出す。


そっと横を見るが、彼のまぶたはまだ閉じたまま。



ほっと息をついて、メールを確認する。


『to 貴子さん
どういうこと?学校からあんたが来てないって連絡が来たんだけど。今どこにいるのよ。これ以上迷惑をかけないで。早く家に帰ってこいよ』


この文面を見て、手が震えてしまい携帯を落としそうになる。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


急に胸が苦しくなった。私…何をやっているんだろう。また、迷惑をかけてしまう。捨てられる。


そう思ってハッとした。そうだ、大丈夫なんだ。

私は、決意したんだ。これで、もう迷惑はかけない。苦しくなることもないんだ。


返信しないまま携帯を閉じると、ポケットにしまう。
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