ー神様が恋をした人間ー
学校へ着いたが

教室には向かわずお気に入りの場所へ

そのまま向かう

ーパタンー

お気に入りの場所の扉を開ける

ミサト「屋上はいつ見ても空が綺麗…」

誰も使っていない屋上は

〝たまたま〟ドアが開いており

よくここに私はきていた

靴を脱ぎ鞄を置き

フェンス越しに立つ

遺書なんか用意していない

だって

〝私がいなくなっても誰も困らない〟

フェンス越しに立つ位置から

下を見るとアネモネが沢山

咲いている花畑に近い花壇が見える

ミサト「アネモネの花言葉は〝見捨てられた〟 〝見放された〟

私にピッタリな花言葉ですね」

自嘲気味に笑い

「…あぁ 一度でもいいから愛されたかったな 必要にされたかったな」

涙を零しポツリと呟き

後ろを振り向き

落ちてゆく

不思議と恐怖は無かった

落ちるのは一瞬

けれど落ちている本人は

スローモーションかのように思えた

ミサト「…空綺麗だな…」

アネモネの花壇に落ち身体中が

痛みながら

落ちた衝撃で散ったアネモネの花びらと

空が綺麗だった

それが私の瞳が写した

最後の光景だった
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