ー神様が恋をした人間ー
俺がそう言って

長い沈黙が続いた

心配して声をかけようとした時

カナリアが口を開いた

カナリア「…大丈夫ですよ ティノ

わかっています 大切なパートナーですもんね…」

瞳が通常に戻っていた

ティノ「あ…あぁ…」

いつも通りのカナリアに戻った

安心して

少し間を空けてぎこちなく笑う

カナリア「イルには…使い魔を渡しました」

パチンと指を鳴らし

水晶に映し出された

優しい笑みを浮かべて

黒猫の使い魔と楽しそうにしている

イルが

ティノ「これで…イルは大丈夫だな…

リアとエリシアはどうした…?」

カナリア「あの二人は…通常ですよ

愛は素晴らしい 私は観察したい」

ニタァと笑う

ティノ「…!あれが通常だというのか!?」

また声を荒げる

そんな俺を見て

カナリアはただ笑い

カナリア「私ね…この世界が楽しい!!

もっともっと!!

私に醜い感情を見せて!?

もっともっと!!

私の感情 心を満たして!?」

あはははは!!

狂ったように笑うカナリアは

もう昔の優しいカナリアには

戻らない

俺は

笑うカナリアを見て

そう感じた
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