好き。だからこそ嫌いになりたい。
『えーあれが教師かよ。…なんだあの髪型。前見えてんのかよ』

『なんか怖ーい、不気味。』

体育館から口々に話し声が聞こえた。

(いや…。何あの髪型。)

あまりにも見た目が凄かったからか

違う意味で目が離せなかったのかもしれない。

「…栗原先生。」

「…ああ。はい。…えと栗原です。
私は、この学校で学ぶつもりで来ました。
が…私も授業はしますが、興味ない人はそこまで学ぶ必要はないので。」

(…は?)

いやいや教師になろうとしてる人が何言ってんの?

「く、栗原先生。」

「ああ…。」

「…よろしくお願い致します。」

…パチパチ

小さい拍手だけが、体育館に鳴っていた。
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