凛々しく、可憐な許婚
「そうですか,,,。私は、国語を担当しております、光浦咲夜と申します。今後ともよろしくお願い致します」

咲夜は、尊の方に体を向けると、微笑みながら挨拶をした。

「こちらこそよろしくお願いします。咲夜さん」

"えぇーー?なぜ、下の名前呼び?しかも、"先生"の通称さえついてない"

咲夜は内心驚いていたが、感情を素直に出すことは苦手ときている。

道実学園長は、そんな咲夜の気持ちには全く気づかずに紹介を続けた。

「鈴木先生には2年4組の副担任をしてもらう。それと弓道部の副顧問もだ」

"副担任?弓道部の副顧問?"

咲夜は、新任当初から弓道部の顧問をしている。

全国でも上位を誇る弓道部に育て上げてきたと自負している。

"まてよ,,,、ということは、クラスだけではなく、部活も一緒に担当するということ???"

「そ、それはありがたいです」

心と裏腹の言葉を口にする。

「お役にたてると嬉しいのですが,,,。僕も高校の時、弓道部だったんですよ」

尊が微笑みながら咲夜の右手を取って握手をする。

咲夜の胸の鼓動が高鳴った,,,。

"そんなの、知ってます,,,"

咲夜は、高校一年生の夏、初めて尊を見かけた日のことを思い出していた。



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