凛々しく、可憐な許婚
「鈴木様、少しよろしいですか?」

更衣室を出た弥生は、直ぐ様、尊に声をかけた。

「咲夜、母さん達と先に一階のラウンジで待っててくれる?」

尊は弥生のもとに近づきながら、3人をラウンジで待つように促した。

弥生がスマホを持っているところを見ると、連絡先を交換するのだろう。

もし、咲夜が弥生の立場なら、好きな人に婚約者がいても、そんなことは関係なくチャンスを活かすのだろうか?

"それとも仕事だと割りきって、辛いのに業務に徹して笑おうとしているのかな?"

恋愛の駆け引きも知らない

こんな時の友人との距離の取り方もわからない

咲夜は、勉強と弓道、習い事ばかりに情熱を注ぎ、現実逃避ばかりしてきた自分が情けなくて、ため息を繰り返していた。
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