凛々しく、可憐な許婚
写真撮影が終わると、咲夜は弥生と連れだって更衣室に向かった。

15分くらいが経過して、二人が更衣室から出てきた。

母親のいる方へ向かう咲夜と尊に近寄る弥生。

「鈴木様、少しよろしいですか」

尊は、さっきの写真を弥生から貰うことを咲夜に知られるのが少し恥ずかしくなり、咲夜と二人の母親を、先に一階のラウンジに行くよう促した。

「先輩、写真送りますからSNSアプリのID教えて下さい」

本来なら簡単にSNSのIDなど教えないのだが、咲夜の友達なら問題ないだろう。そんな軽い気持ちで、尊はアドレス交換をした。

「高校から私がためてきた咲夜ちゃんのレアショット欲しくないですか?」

「欲しい」

尊は即答した。

「帰ったら早速、パソコンからダウンロードして送信しますね」

「俺の友人に、咲夜と君をネタにした百合漫画を書いていた奴がいるけど紹介しようか?」

「えっ?本当ですか!紹介してください」

こちらも夜に連絡を取ってから、紹介することを約束して別れた。

尊のスマホには、先程、咲夜と二人で撮影した婚礼衣装のツーショット写真が映されている。

美しい咲夜のウエディングドレス姿と、その横で微笑むのが自分であることを嬉しく思いながら、尊はスマホをポケットにしまってラウンジに向かった。
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