凛々しく、可憐な許婚
朝6時。

いつもと変わらぬ景色に咲夜が目覚めると、激しい違和感を感じた。

「た、尊くん?」

セミダブルのベッドで、自分に密着して眠る尊に気づかないほど、咲夜は疲れて眠っていたのだろうか?

「おはよう。咲夜。ごめん、やっぱり離れて眠れなかった」

あどけなく笑う尊に、咲夜もうっかり微笑んでしまう。

「甘えん坊ですね」

「やっと笑った」

尊が触れるだけのキスをする。

「悩みがあったら、隠れたり逃げたりしないで俺に相談してほしい。俺は聞かれれば、何も隠したりごまかしたりしないよ」

尊の真摯な言葉に、咲夜は涙が出そうになったが、これは咲夜と尊だけの問題ではなく、弥生の気持ちも絡んでいることだ。

「ありがとう。気持ちが纏まったらちゃんと言うから」

今日からまた、学校が始まる。

ゆっくりともう一度自分の感情と向き合おう。

咲夜は朝食を作ると尊に告げて、キッチンへと向かった。

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