凛々しく、可憐な許婚
そして入学式を迎え、新入生も加えて学園が更に賑やかになってきた。

「2年4組やベーな。姫だけじゃなくてイケメン王子が副担任らしいぞ。二人ともT大とW大卒だってよ。担任・副担任教師の頭だけじゃなくて顔面偏差値まで高いなんて、4組ずるいよな」

「2年5組の吉高先生もワイルド系のイケメンだよ。1年3組の井上ちゃんは22歳の新卒、ピチピチ。巨乳の小悪魔系。今年の教員はマジレベル高い」

生徒達にとって最も身近な大人は教員だ。憧れの対象にもなりやすい。

そして迎えた部活動紹介。

「そういえば、光浦先生と鈴木先生、二人して弓道部の顧問なんだって。資格も段も持ってて、高校時代から有名だったらしいよ」

部活動紹介において顧問が誰かということは、買手の新入生にとっても重要事項だ。

売り手の既存部員は、あの手この手で部員の勧誘をはかる。

今年の弓道部は、部活動紹介で新入生が見学に来たとき、生徒に混じって尊と咲夜に弓を引かせるという暴挙にでた。

嫌がるかと思いきや、咲夜も尊も笑って引き受けてくれた。

練習は厳しいが、余興の時は、生徒に対してとてもフレンドリーな優しい顧問だ。

おかげで見学者は倍増。

その上、噂を聞きつけた写真部員に吉高先生、井上先生まで見学に来て、一時は収拾がつかない状態に陥った。

そんな中でも一糸乱れず、的に集中し、4本の矢を皆中させた尊と咲夜は、生徒たちの新たなヒーロー、ヒロインになった。
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