ただ貴方に会いたくて
いつもと変わらない日常で、いつもと変わらないメンツで、学校帰りにいつもの喫茶店に寄る。すると明が言う。
「ねぇお兄ちゃんが言ってたんだけどね、スパラがね、今度海外に進出する事になったんだって!」
つられて綾も言う。
「知ってるー!哲生が言ってた!我が兄ながらすごいわ笑笑」
このいつものメンツはほとんどスパラ繋がりになっている。綾は哲生の妹、明は仁の妹。
我ながらすごいのと友達になったもんだ笑
「私も知ってるよ笑 スパラ最近ほんと知名度やばいよね〜笑笑」
((だから庄司さんは哲生と連絡するなって言ってたんだもんね。…そりゃこんなのがそばにいたらファンからリンチくらうしスクープ撮られるわ…))
「そう言えばさ、結。哲生から連絡来たんだけどさ、最近哲生と連絡とれてる?」
…今その会話嫌なんだけどな…綾タイミングほんと悪いよ。いつもながら(汗
「うん。少しね、携帯の調子悪いみたいでさぁ、何人か連絡とれなくなってて笑
そろそろ携帯も寿命かなぁ?笑笑」
多分、薄々気づかれてるんだろうな。この嘘も。綾は勘がいいしなぁ。
私だって哲生と連絡とりたいよ。でも…無理なんだもん…仕方ないじゃん
「てゆかさ、結さ、最近ちょっと痩せた?
めっちゃ可愛くなってんだけど?もっと化粧しなよ、絶対もっと可愛くなれるから!」
周りからは容姿端麗と言われる明が言う。
そら仁くんみたいなイケメンの妹だもんね。可愛いに決まってるよ
でも、化粧か〜。考えたこともなかったなぁ
「ねね、あたしので良かったらさ、化粧させてよ結!」
「あぁー!結だけずるい!あたしにもやってよ明〜」
よかった。明のおかげで話それた。
ほんと明がいてくれてよかった。
元気ねぇ〜と笑いながら店の仲のいい店員さんが頼んだいつもの飲み物を持ってきてくれる。そしていつもコソッと店長から、と言い美味しいお菓子もくれる。とてもいい店!
いつものバカ騒ぎの後、家路につく。
「また明日ね!結!綾みたいに寝坊しちゃダメよ~笑」
「あっひどーい明ったら!笑
また明日ね!結!」
また明日と手を振り2人と別れる。
家までの道のりをゆっくり歩きながら携帯を見てみる。また沢山のメッセージが入ってる
『結〜。なんで連絡くれないの?俺なんか悪いことした?それともメッセ届いてない?』
哲生に本当の事を話せなくて、結局無視って形でしか突き放せなくて。
無視する度に胸が締め付けられて苦しくて…
こんな事、いつまで続くのかな…
そしてまた一人でぐるぐる悩んでしまう。
こんな自分嫌だと思いながらも何も変われない自分に嫌気がさす。
ほんと…どこか遠いところに逃げたいなぁ…
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