主任、それは ハンソク です!
「デザイナー志望だってトーゴから聞いてるんだけど」
よ、呼び捨て。
「実績とかは全く無くて、いわゆる、ど素人だって?」
「……は、はい」
「カラーコーディネートとか、何かそれっぽい資格は?」
「こ、これからっ」
これからかぁ、と髪をかき上げつつ、ため息交じりで呟いている。
「すまん、カジタツ。そっちはこれから積んでいかせる」
か、カジタツって。
こんな美人な人相手の呼び名にしては、それはちょっとじゃないですか?
「りょーかい。そのかわり、借り1個ね」
そういうと、彼女はウィンクしながら茶目っ気たっぷりに言う。何をやっても華のある美人は様になるんだ。
「やめてくれ、気持ち悪い」
は? ちょ、ちょっとまって。
「あーあ、まぁた振られちったぁ」