主任、それは ハンソク です!
久住先輩は早口でひとしきりそういうと、ひょいとお弁当の唐揚を口に放り入れ、瞬く間に飲み込んだ。
「なんだかんだ言って、あの人、清州側の人間じゃない? だから、その辺は本人確認とかしっかり裏を取ったうえで、大事にするはず」
「おお、ごと……」
すごい勢いで動き出している事態を目の当たりにして、ただただ呆然とする私の様子に、さすがの久住先輩もただならぬものを感じたようで、一生懸命なにやら言葉をかけてくれている。
だけど、それは私の頭にまで届かず、単なる音の羅列になってどれも右から左に素通りしていくだけだった。