主任、それは ハンソク です!

 あくまでも釘崎主任は、冷静に対応しようとしてくれているのが痛いほど伝わってきて、それがまた申し訳ない気持ちに拍車をかけた。

「まぁ、いくら正論で取り繕っても、先を越されたっていう憎悪の感情が隠せてないところが、あの人らしいっちゃらしいわよねぇ」

 そういうと、久住先輩はコロコロ笑うけど、私はそれどころじゃない。

「そうそう、憎悪っていったらさ。あんたが総務に連行されてった後の大魔神がまた傑作でねぇ」
「だ、……だい、まじん?」

 またしても、久住先輩はケラケラと笑う。

「あ、あの。もしかして、主任も、怒ってました?」

 うん、そりゃあもう、と元気よく頷く先輩の姿に、私は激しいめまいに襲われる。
 まずい。私、完全に彼の地雷を踏み抜いた。

「そ、そう、ですよね」

 私としては、今回の件は本当に不本意だけど。
 結局、それを受け入れてしまった時点で、主任の中では、私もあの家の人たちと同類に認定されてしまったんだろう。

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