主任、それは ハンソク です!

「もうさ、すごいの。ああいう事を平気やらかす輩は人の皮被った害獣以下だ!ってね。怒り心頭、怒髪天って感じでさ……、ぁ」
「……どうか、しました?」

 何故か久住先輩があたふたしだす。
 ちょっとまってよぉ、とあわあわしながら鞄をまさぐり、ああんもぅっ! と叫ぶと、ポテトの下に敷かれていた紙ナフキンを鷲掴むと、私の方へと突き出した。

「はい、これで涙ふく!」
「……え?」

 すっかり暗くなったガラス窓に映り込んだ私は、確かに泣いていた。


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