主任、それは ハンソク です!
「と、とくの、です」
その時、主任の動きが止まった。そしてすかさず、すまんっ! と頭を下げられた。雷鳴みたいな大きな声に体が思わず竦む。
「あ、あのっ。いいんですよ、別に」
「よくないだろっ!」
またしても、じぃいいいんと全身に主任の声が響き渡る。
声が無駄に大きいからなんだか焦るし、何より怖い。もう既に頭の中は帰りたいモードになってしまった。
大丈夫なんだろうか、私。
*
「まず、覚えて欲しい事は商品POPの作成だ」
「ぽ、ぽっぷ……」
「POPは分かるか? プライスともいうけど、要は陳列棚についてる商品の値札のことだ。各バイヤーから大中小のサイズだけで依頼が来たら、十中八九、広告掲載商品のPOPだ。フォーマットが『ポップ・スター』に既に入っているから、すぐ作ってくれ。それから……」