主任、それは ハンソク です!
「なるべく、早く、部屋を探します」
ん?
「長居はしません。だから、そんなお気遣いは」
あれ?
「主任は私が家を出る手助けをしてくれたんですから、それだけで、もう、十分すぎて」
ちょっと、まってくれよ?
「だから、これ以上、ご迷惑をおかけするわけには」
彼女は、何を言っているんだ?
「ごめん、ちょっといいか」
「はい?」
小首を傾げた彼女の頭上に、大きな疑問符が浮かんで見えた。
本当に、こう、ちょっとした仕草も、彼女は可愛い。
そうかっ! これが今、巷を騒がしている、あざと可愛いというやつなのか。