主任、それは ハンソク です!
「やってねーしっ! できてねーしっ!」
「もっぺんいってみろっ!」
止めなきゃ、すぐにっ。
「ぁ、あのっ!」
次の瞬間。
咄嗟に立ち上がった私の視野には多数の星々が、耳にはガゴっという鈍い音、そして、脳天には激痛が走った。
頭を抱えて涙目で左右を見ると、私の突発的な脳天突きを顎にもろに食らって目を白黒させている主任と、鼻に手を当てて呆然としている清住さんの姿。
「……キヨス。血ぃ、でてんぞ」
主任が顎に手を添えつつ顔を歪ませてそう言うと、清住さんが、うそまじっ!? と慌てて手の甲で鼻の下をぬぐった。
「あ、あの。お二人とも、大丈夫、ですか?」
ん? と二人の視線が私に集中する。二人に挟まれていると、まるで都会の摩天楼街に迷い込んだようだ。