主任、それは ハンソク です!
突如、二人は弾けたようにケタケタと笑いだした。唖然とする私を見て、更にゲラゲラと二人して笑い転げる。なんなの、これ。固まったままの私を一瞥すると、主任が顎をさすりつつニヤリと人の悪い笑みを浮かべる。
「なんだ? 打ちどころが悪くて、二人とも馬鹿になったかと思ったか?」
「い、いえっ、そんなっ」
すると、清住さんまでもが、何かを企んでいる猫みたいな笑みを浮かべる。
「まぁ、所謂昔っからの俺らの間のお約束ってやつだから、気にしないでよ。これからも、ちょくちょくこんな事起こるけど、スルーして構わないからね」
でも、脳天突きは勘弁な、と主任が顎をさすりながら苦笑して言う。
次の瞬間、私は二人に大慌てで謝罪するも、いいよいいよ、と二人はなおもヘラリと笑い、そうしてそのまま仲良く休憩室へと消えていった。
嵐の後の静けさに私は思わず脱力して机に突っ伏す。
「……もう、辞めちゃおうかな、この会社」
ふいに、言葉が零れ出ていた。