主任、それは ハンソク です!

 主任が疲れたように、私の隣の空席にぐたりと座り込む。

「おい、ホント何なんだ? お前さんの名前」
「す、すいま」
「いいかっ、謝るなよっ!?」

 すっかり油断していた私は、またしても轟く雷鳴にフリーズした。

「あっ、す、すまんっ、つい」
「……あ、いいえ、その、だい、じょうぶ、ですから」

 ウロウロと泳ぎまくる視線で、全然大丈夫じゃないのが丸わかりなはず。はぁー、と地獄の底から湧き出るような盛大なため息が聞こえた。

「お前さんが一々謝るな。むしろ謝んなきゃならんのは、いい加減覚えられないこっちなんだから」

 はい、とおずおず私は返事する。

「なぁ、と、とくの。明日の飲み会、お前さんは参加するのか?」

 私は一瞬ぽかんとして、それから当然のように頭を左右に振った。

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