主任、それは ハンソク です!
5 / 主任、なんか、わからないです
「……あ、すまん。飲み物、追加するか?」
「あああ、いえ、あ、いや、あの、や、やっぱり追加、します」
不意に主任が俯いた。なんだろう、主任の肩が震えている。と、主任が盛大に噴き出した。
「なっ」
絶句する私を見て更に笑い転げる。なんか、こんな光景に既視感を覚えて、私はすごく凹んだ。
「あ、す、すまない。つい、その、可笑しくて」
「……いえ、いいんです。こういうの、よくありましたから」
そう、幼稚園や小学校の頃。同じ組の目立つ男子が先頭になってちょっかいを掛けて来ては、私の動揺する様を見てみんなとケラケラ嗤うという、王道を行くいじめ。
当の本人たちは『ちょっとしたイジリ』だと思っているみたいだから、余計に達が悪い。
「もしかして、怒ったか?」
私は首を左右に振るけれど、たぶん表情は怒っているかもしれない。