主任、それは ハンソク です!
「いやぁ、私もびっくりしたんだよ」
駅前のファーストフード店の奥まった席で久住先輩はそういうと、一番大きな二段構えのハンバーガーを真上から拳でつぶす。
もう何度も見ている光景だけど、いまだにこればかりは慣れない。
「どうしたの? 冷めちゃうよ?」
久住先輩は私にも食べろと促すと、ためらいなく潰しハンバーガーを口に運んだ。
「あ、はぁ。じゃあ、いただきます」
私は、定番のサクサクチキンナゲットを、ひとくち、もそりと食べる。ディップの山葵マヨネーズの辛味がつーんと頭を突き抜けて、自然と涙を誘うこの感じがたまらない。
「……ねぇ、主任ってさ、普段はあんなに四角四面の硬派気取りだけど、女性方面だけはだらしないのかな」
「へ?」