いつかまた…
部屋の扉がバーンと
勢いよく開いた。
と同時に、見知らぬ男の子数人が乱入してきたのだ。
「!!」
驚く暇もなく、男の子たちは…
「えっ?もう帰っちゃうの?なんなら一緒に遊ばない?」
なんて軽い奴らなんだ。
「ムーちゃん行こっ。」
そんな奴らを無視してわたしが睦美の手を引く。
「え?ムーちゃんって…
○○高の睦美?」
男の子数人の中の一人が
そう言うと、
「えっ、あの可愛いで有名な睦美ちゃん?」
男の子たちは
ボソボソと話し混んだ。
やっぱ睦美は
有名なんだな…
もし生まれ変わるなら、
次は睦美になりたい。
そう恨めしがるわたしは、横に居る睦美の顔を見た。
あ〜〜
やっぱ可愛いよ。
といつものように
思うはずだが、
この時は違った。
睦美の顔がどこか
曇ってる。
「行こっリノ!!」
勢いよくわたしの手を引いた睦美。
いつもの睦美らしくない。
「俺、あいつとヤッたことあんだけど。相当なヤリマンらしいよ」
ちょうど部屋を出ようとしたその時、
男の子一人がボソッとそう言った。
はっ?
今何て?
睦美の引く手を振り払ったわたし。
「睦美はあんたらみたいな奴、相手にする訳ないでしょ!出直してきなっ!」
なんて馬鹿なんだ…
気付けばこんな事を口にしていた。
「あんた友達なのに、睦美ちゃんがヤリマンで有名なの知らねぇの?」
その一言で
わたしの血管がキレてしまった。
睦美はそんな子じゃない。何も知らないのはそっちのほうだっ!!
わたしは
目の前にいた一人に
一発蹴りを飛ばし、
睦美の手を引きながら猛スピードでカラオケBoxを出た。