いつかまた…


カラオケBoxから
出たと思えば、


わたしたちは
あっという間にさっきの男の子たちに囲まれていた。



わたしは睦美を庇う様に、自分の背中へ隠した。



「なっ、何よっ!」


と、強がってみるものの…足は小さく震えてる。


「君、さっきリュウの事蹴ったよね?名前は?」


一人の男が生意気げにわたしの肩に手をかけた。


「名乗るんならはそっちから名乗りなさいよ!」


ここで引き下がる訳にはいかないっ!


わたしはさっきよりも
声を張った。



「君、調子に乗ってたら痛い目みるよ?」



続いて、ぶつぶつな肌の男がわたしに顔を近づけながらヤンキー風に
おぅ?おぅ?
と、威勢よく言っちゃってる。



くそぉ〜〜〜!!
この顔面岩男!!
お前は女の子に手をあげるつもりか??



「あんた最低だね。顔も悪けりゃ女にも手上げるつもり?
そんなんだから女にモテないんだよっ。」



うぅ………


サラっと言っちゃった…


これはさすがにヤバイかも。




気付けば男たちは
完全にわたしたちを
包囲してて、

逃げるにも逃げ出せない状態まで追いやられていた。



ゴメンね睦美…

わたしのせいでこんな事になってしまって。
だけど絶対、睦美には手を上げさせない。



「てんめぇ〜〜!!」


その岩男がキレたのは
言うまでもない。


岩男は予想どおり手を振りかざしたのだ。



わたしは思わず唇を噛み締め目を閉じた。





わたしの頭の中は
あの何とも言えないくらい、ひん曲がった
怒りの表情の岩男が、
10人くらいグルグルと回ってるではないか。









わたしは強い!
大丈夫!


覚悟を決めた。



その時…



「てめぇら何してんの?」

その声は遠くから言うように小さく聞こえた。



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