いつかまた…
あれ??
いくら待っても岩男のパンチが飛んでこない…。
ゆっくりと目を開けたわたしが目にしたのは、
岩男が誰かに怒られてる光景。
よく見ると、あの岩男を叱ってるのは、
わたしが先程蹴りを飛ばした人物だった。
「ツトムよ〜、女の子に手挙げちゃダメだろ。男が女よりも強く作られてんのはな〜、男が女を守るために神様が決めたことなんだぞっ」
その人物が言った一言に、なぜか感動してしまった。
その人物は、
身長およそ180㌢
髪は茶髪でチリチリのツイストパーマで…
顔はサラダ煎餅のように
さわやかで…
だけど目は子犬の様につぶらだ。
「大丈夫だった?」
いつしかその
サラダ煎餅に見とれていたわたし。
気づくとサラダ煎餅は、なかなか返事を返さない
わたしの顔を、不思議そうに覗き込んでいた。
「はっ、はいっ大丈夫です!」
「そっちの君も大丈夫?」
と、わたしの後ろにいた睦美にもそう問いただす。
わたしは後ろを振り返ると、
睦美はしゃがみ込み泣いてしまってた。
「ムーちゃんゴメンね。わたしのせいで…」
「ううん。リノは悪くないよ。…わたしのことカバってくれたんだもん。ありがとう」
睦美…
こんな厄介者のわたしにお礼なんて言わないで…
「おいっツトム!この子たちに謝れよ。」
サラダ煎餅がそう言うと、岩男は申し訳なさそうにわたしたちに近いてきた。
「ゴメンね。」
岩男は口を尖らせ、わたしたちに目を合わせい。
こいつ…
恥ずかしい〜!
小学生みたいにふて腐れんないでよっ。
わたしはそんな岩男に
一本とられたようだ。
吹き出しそうな笑いを堪え、頷くのが精一杯。
「リノちゃんとムーちゃんって言ってたよね?」
再びサラダ煎餅がわたしたちに問いただす。
「はい。そうですけど…」
未だに泣いてる睦美の背中を摩りながらサラダ煎餅を見上げるわたし。
「俺、家まで送るよ。」