いつかまた…


話してるうちに、リュウくんのことを少しだけど知れた。


リュウくんはわたしたちと同じ18歳。


正直、5コくらい年上だと思ってた。


だって、妙に落ち着いてるんだもん。


さっきの岩男たちとは
中学の時からの友達らしい。


……同い年なはずなのに何でこうも違うかね。



リュウくんは高校2年の時に中退した。


その訳は知らないけど、
中退後、知り合いの先輩と土木作業員の仕事してるみたい。



リュウくんの悩みは、太陽に当たりっぱなしの仕事なのに日焼けしない事。


なんとも可愛い悩み♪


赤くなってすぐに白に戻っちゃうのが許せないとか…


だから君はサラダ煎餅なんだね。







「ここでいいの?」



駅前に車を停めたリュウくんは、わたしたちのほうを振り返った。



「ありがとリュウくん。じゃあねリノ♪またメールするから」


「う、うん♪」


睦美はそう言うと、
そそくさと車から降りた。

そして駅の裏の方へと
消えて行った。


わたしたちは、
睦美が見えなくなるまで
見届けると、



「リノちゃん、こっち来なよっ」


リュウくんは助手席のシートをトントンと叩いて、わたしの方を見た。



「うん♪」



言われたとおり、わたしはリュウくんの隣に移動。



「行きますかっ」


リュウくんは再び車を発進させた。









出会って数時間…。



こんなに早く
誰かと仲良くなったのは初めてで…



なんだか、昔からの知り合いみたい。




「リノちゃんって彼氏いるの?」


その突然な質問にわたしは、黙り込んでしまった。



実はわたしには、半年前から6コ上の彼氏がいる。


彼氏…

そう言える存在かは分からないけど。


わたしの彼氏は、妻子持ちなんだ…



こんな事言ったら
いくらなんでも嫌われちゃうよね…



「いるよ…」



そう一言だけ答えたわたし。


タクミ…


今何してるかな?

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