みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「ええと・・・・・・『そのような者は存在しない』?」

春だけが読める文字を、春が読み上げた

「「「え??」」」

予想外の言葉に呆然とする面々

「つ、続きは?」

「あ、うん・・・・・・『美愛と名乗りし者の真の名は美しき杏(きょう)と連ね"みあん"と呼ぶ』」

「美杏?・・・・・・って、あ」

聞き覚えのある名前に、つい零した

「知ってんのか」

「うん。一度目、キッチンで美愛が倒れた時に、リーナが言ってたと思う・・・・・・あんまりよく聞いてなかったから聞き間違いと思ってたけど」

「よく似てる名前だもんな・・・・・・」

「で、いいから続き」

「あわ、ごめん。『その者は魔法界に害を為すであろう』・・・・・・え?」

「害を為すって・・・・・・どういうこと?」

「いや、んなわけねぇだろ。あいつがだぞ?いくら名前を騙ってたってだけで、そりゃあねぇだろ!」

「いやそうだけど!」

「神の言うことは必ず正しい・・・・・・これが示すものは絶対だ」

零の落ち着き払った言葉に、シーンと静まる

「でも、あいつが、だぞ?」

「そ、そうだよ。翔太の言う通り。美愛はそんな素振り見せなかったよ?」

「いや、一度だけあったろ」

「一度だけ?」

「ああ。一人だけで購買行くとか言いやがって、結局帰ってきたのはギリギリだったじゃねぇか」

「あの時は購買が混んでたって・・・・・・」

「いや、あいつから微かに魔力が漏れていた。本当に微かでわかんねぇだろうがな」

「じゃ、その時美愛・・・・・・は魔法を使ってたってこと?」
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