みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「「ただいま・・・・・・」」

部屋に帰り、中に声をかけると返事がない

美杏、寝たのかな

疲れてたようだし、今日凄い大魔法を使ったらしいから

・・・・・・・・・・もし、あの占い結果が本当なら、美杏の魔力で魔法を使われたら─────

あたしは、美杏を突き放さなきゃ・・・・・・

楽しかったのに

裏切られるって、こんな感じ、なんだ

「いこう、千聖」

春が先に上がり、廊下を進んでドアを開けた

その途端に、美杏が自室から転がり出てきた

「っとぉ、おかえり」

やっぱり、寝てたみたい

「うん、ただいま」

「ただいま、美愛・・・・・・」

「?おかえり」

あたしたちの急な態度の変化に、少し戸惑った様子の美杏

あたしたちは無言で、自分の部屋に向かう

終始、「なんかあったのか・・・・・・?」と呟いていた




「ねぇ、美愛」

「あ?」

着替えも終わり、落ち着いた頃

あたしは、美杏に話しかけた

まずは、遠回しに聞こう

「ずっと気になってたんだけど・・・・・・美愛って遠い村から来たんだよね?」

「あ、ああ。そうだが?」

「どこにあるの?」

すかさず春が聞く

それを聞いた瞬間、美杏は顔を僅かに強ばらせる

「・・・・・・遠いところだ」

「へぇ。なんて言うの?」

「・・・・・・忘れた。なんせずっと旅して久しぶりに帰ってきたからな。生まれと言っても本当にそこで生まれただけだ」
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