みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
ビクッと肩を震わせる美杏

「あたしのこと、調べたんだろ」

声を震わせながら、美杏は言った

そうか

「千聖たちから聞いたのか」

「ああ、聞いたよ。水鏡で占ったってな」

「したぜ。お前のこと、調べさせてもらった」

「なら、知ってんだろ?あたしが魔法界に害を為すってこと・・・・・・」

自嘲気味に笑いながら、彼女は言い放った

俺は溜息をつき、向き直る

「俺は信じねぇ」

「は・・・・・・?」

俺の一言に、きょとんとする美杏

顔かわい・・・・・・こほん

「神がなんと言おうと関係ねぇ。美杏に、そんなことするメリットがねぇんだから」

「なんで、そう思う」

信じられない。そんな顔で俺に問う

「なぜ、この学校に入学する必要があんだよ。それも、初めから決まったことではなく、千聖に出会って初めて学校のこと、知ったんだろ?」

「そうだけど・・・・・・それが、どうかしたのか」

「もし本当に害を為すつもりなら、計画的にいくはずだ。まさか、一人でやるとは思ってねぇ。協力者がいるはずだろ。そいつらに話もせずに1人で決めるやつじゃないだろ、お前は」

「そう、か」

俺の見解に、驚いた様子の美杏

その後、天井を見上げ、息を吐く

「お前らには世話になったな」

「は?」

突然の別れ間際のような言葉に、間抜けな声が出た

急に、なんだ?

なにかあったのか?俺達が突き放し、ここにいた間に

「なんだよ、急に」

「どの道あたしは、長くここにはいられねぇ・・・・・・そんな運命だよ」
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