みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
今まで口を閉ざしていた美杏から発せられた言葉に、翔太が聞き返した

「無駄なんだよ。精霊界への扉は閉じられてんだからな」

「精霊界への扉?」

「どういうこと?」

分からないワードにあたしたちは首をかしげた

「話はあとだ。今はこうするしかねぇんだからな」

ぴょんっと階段を飛び下り、魔法陣の中心にたつ美杏

突然なにをするのか、そこにいる全員が思った

そして、おもむろに右手を高々と天に掲げ────

「この世を司りし四つの元素よ、我の手に宿れ。属性付与!」

美杏が呪文を叫んだ直後

淡い光が天から舞い降り、美杏の右手に集まる

そして、美杏の身体を伝い、魔法陣にたどり着いた

淡い光が魔法陣に触れた瞬間

視界で光が爆発した

「んみゃ!」

「まぶしっ!」

「って、うわぁっ」

悲鳴をあげるあたしたちをよそに、美杏は平然とそこに立っていた

眩しいとも思わないの?!

そして、右手を下ろし、さらに呪文を唱える

「天界を統べし四人の天使────ラファエル、ミカエル、ウリエル、ガブリエルよ、今ここに顕現せよ!」

光はさらに強まり、目を開けていられなくなった

「な、何が起こってるの?!」

あたし横で叫ぶ春

あたしだって、知りたい・・・・・・でも、呪文を聞くに

これが、本当の『召喚の儀』

「四大天使、召喚!」

そして

光は少しずつ収まっていった

「わ・・・・・・収まった」

「つったー・・・・・・一体何が」

全員が魔法陣の方に視線を向けた時

息を飲んだ
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