みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「あたしの魔力を検知したなら、イーリスあたりが飛んできそうだが」

「まあ、美杏の話を聞く限り、イーリス様は飛んできそうね」

「だろ?あいつはああ見てて相当な使い手だ。なのにあたしの魔力やあいつらの魔力を検知できないのは変だな」

思考をめぐらせながら、ふと下を見た

・・・・・・人影?

それにあのシルエット・・・・・・もしや

「イーリス?」

小さな声で呟いたと思ったが、あたし達の他に周りに人はいない

そのため、よく響いたのだろう

うっすらと浮かぶ人のシルエットが、ゆっくりと動いた

「見えねえ・・・・・・よっ」

即座に魔力に風の力を込め、吹かせる

瘴気がゆらゆらと動き、切れ目を作った

そしてそこから見えたのは、懐かしい神の姿

「美杏・・・・・ふぇぇ」

目に涙をため、泣きじゃくるイーリスだった

姿は幼い少女だが、正真正銘、虹の神イーリスである

角度次第で様々な色に見える「七色の髪」を持つ

肩にかかるくらいの長さだ

そして神という証明になる、レースを纏った純白のドレスを着ていた

まあ、ドレスという程豪華じゃない。パニエを着ているが、ドレスとワンピースとの間ぐらいだ

って、だからそれどうでもいいっつーの!

「イーリス・・・・・・!」

「美杏・・・・・・」

さっと地上に降りて、あたしはイーリスを抱きしめた

ふわりといい香りが鼻腔をつく

暖かく、小さな体を震わせ、イーリスはあたしの胸に顔を押し付けて泣いた

「・・・・・・大丈夫?」

リーナもあたしの隣におり、心配げにイーリスの頭を撫でた

「ふえっ・・・・・・」
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