みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「───────聞こえるか?」

突然、美杏の声が耳に届いた

「え?え?」

「み、美杏?」

周りをきょろきょろするけど、誰もいない

人ひとりっ子いやしない

え、じゃあこの声はどこから?

「あー、今風の魔法で声届けてんだ」

「あ、なるほど」

「そっか・・・・・・」

美杏は水属性じゃないんだ

精霊女王だから、どの属性でも使えちゃう

ちょっと前までそうだったから、なんか変な感じするなぁ

「で、どーかしたの?」

「ああ、お前らの行った方向に神界唯一の建物────王宮があるはずなんだけど」

「「王宮?」」

美杏の言葉に、あたしたちはさっと前を見た

堂々と構える、真っ白で大きな建物

・・・・・・・うん、あれだ

「えっとね、今まさにあたし達の目の前に」

「本当か?」

「うん」

「そうか・・・・・・間違っても中に入るなよ?あたしたちもすぐいく。できれば零たちにも伝えてくれ」

「りょーかいっ」

てきぱきと指示を出し、そこで通信は途切れた

「とりあえず、零と連絡とってみるね」

「うん、お願いね春」

春が零との交信を図る中

あたしは、王宮に目をむけた

ほんと、すごいなここ・・・・・・

周りは雲だらけなのに、どうやって立ってるんだろ?

あれだけ大きいなら、相当地面に負荷かかってそーなのにな

うーん、不思議

「っていうか、ここで待てって言われても」

「なんか、悲しいよね」
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