みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
ぎゅっと、私は胸元で自分の手を握りしめた

「で、ですが・・・・・・私には、そんな力は」

「だから、一人でとは言っていない。我々を助け、尽くしてくれた、偉大なる魔法使いたちと共に、向かってほしい」

・・・・・・なんだか、こそばゆいね

あたしたちはそんな大層なことしてない

ただ、神様を助けて、美杏を助けて

魔法界とあたしたちに、この世界に、平和をもたらしたかっただけだ

「ですが・・・・・・アストライオス様」

「イーリス、君にしか頼めない。美杏が心を許した存在は、そこまで多く居ない。彼女の気性と、存在価値故に、周りが意図して触れ合うことを禁じた」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そうだったんだ・・・・・・

確かに会った時から、なんだか人に慣れてないのかもとは思ったけど・・・・・・まさかそんな事情があったとは

「それは私も存じています。でも、それとこれとは訳が」

「いいかイーリス。仮に私が彼女の元へ向かったところで、精霊女王の力を引き出すことは不可能だ。彼女の精神が最も安定した時か、もしくは、彼女の中に確たる何かが生まれた時。その時に、真の力を使役できる」

精霊女王の、力?

まさかそれって・・・・・・お祖母様の文献に載ってた、特別な力なんじゃ

確か・・・・・・「精霊を支配下に置く力」

それは精霊女王のみに与えられた、特別な力だ

でも、それを使うことになって、何になるんだろう

ただ、精霊を操ることができるだけ。ただそれだけなのに
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